「えっ、どうして……」
せっかく準備したブーケトス。でも、参列者は誰も前に出てこなくて、ブーケは床にポトリと落ちてしまった。
そんな経験をされたあなた。きっと胸が締め付けられるような思いをされたことでしょう。
私は結婚式を挙げてから10年。その間、たくさんの花嫁さんのお話を聞いてきました。
実は、ブーケトスで同じような経験をした花嫁さんって、とっても多いんです。
「あの時、もっと別の演出にすれば良かったかな……」
「私、何かまずいことしちゃったのかな……」
「友だちに嫌な思いをさせちゃったのかな……」
そんなふうに、今でも気になっているあなたへ。
実は、ブーケトスを誰も取ってくれないのには、ちゃんとした理由があるんです。
そして、それは決してあなたのせいではありません。
- 参列者が遠慮しあうのは、日本人ならではの気持ち
- 床に落ちたブーケには、意外な”救済方法”がある
- ブーケトスは、やり方を少し工夫するだけでOK
- むしろ”失敗”を経験したからこそ、後輩花嫁さんにアドバイスできる
今回は、私自身の経験と、この10年間で出会ったたくさんの花嫁さんの声をもとに、ブーケトスの”意外な真実”をお話ししていきたいと思います。
それでは、まず「なぜ誰もブーケを取ってくれなかったのか」、その理由から見ていきましょう。
ブーケトスを誰も取らないのはなぜ?
参列者の誰もがブーケに手を伸ばさなかった。
その理由は、意外にもとってもシンプルなんです。
遠慮の連鎖が生まれてしまう
「このブーケ、もしかして他の人が欲しいのかな……」
「私が取ったら、周りの人に申し訳ないかも……」
「せっかくの友だちの結婚式、目立ちすぎるのも良くないよね……」
こんな風に、みんながみんな遠慮しあってしまうんです。
これって、とっても日本人らしい反応ですよね。
実は、海外のブーケトスって、まったく違う光景なんです。
みんなが我先にと飛び出して、まるでラグビーの試合のような盛り上がりになることも。
でも、日本人の場合は逆。周りへの気遣いが優先されてしまって、結果的に誰も取らない、という状況が生まれやすいんです。
年齢層によっても変わってくる
参列者の年齢も、大きな要因の一つ。
たとえば20代前半の友だちが中心の結婚式なら、まだみんな結婚願望も強くないし、純粋に「楽しいイベント」として捉えられることが多いんです。
でも、20代後半から30代になってくると、ちょっと事情が変わってきます。
「結婚したいけどまだできていない」
「彼氏もいないのにブーケなんて……」
「周りからの視線が気になる」
そんな複雑な思いを抱えている人も、きっといたことでしょう。
場の雰囲気も影響する
さらに、披露宴会場の環境も大きな要因になります。
たとえば、高い天井の会場でブーケを投げると、ブーケが思った以上に高く舞い上がってしまうことも。
そうなると、ドレスやハイヒールで動きづらい参列者は、なおさら躊躇してしまいます。
「転んでしまったら恥ずかしい……」
「ドレスが乱れたら、写真に写っちゃう……」
そんな現実的な不安も、みんなの気持ちを押しとどめてしまう原因になっているんです。
でも、そんな状況になってしまっても、まだまだ希望はあります。
次は、床に落ちてしまったブーケをどうすれば良いのか、具体的な対処法を見ていきましょう。
誰も取らなかったブーケを拾って2度目のブーケトスをやって良かった?
床に落ちたブーケを前に、あなたはきっと胸が痛んだことでしょう。
でも、そんな時こそチャンスなんです。
落ちたブーケは”縁起が悪い”わけではない
「床に落ちたブーケを拾うのは縁起が悪い」
そんなジンクスを気にする声も聞こえてきそうですが、実はそんなことはありません。
むしろ、ブーケトスの由来を知ると、とても興味深い事実が見えてきます。
そもそもブーケトスは、花嫁のドレスや小物を参列者が奪い合わないようにするための”知恵”として生まれた習慣なんです。
つまり、ブーケには「花嫁の幸せを分けてあげたい」という優しい気持ちが込められているわけです。
だから、床に落ちたブーケを拾うことは、決して縁起の悪いことではないんです。
むしろ”拾う勇気”が場を救う
「ブーケが落ちちゃった……どうしよう……」
そんな気まずい空気が流れた時、誰かが勇気を出してブーケを拾うことで、場の空気は一転します。
実は、こんな心温まるエピソードもあります。
友だちの結婚式でブーケが床に落ちた時、新婦の小学生の姪っ子が「おばちゃんのブーケ、かわいそう!」って飛び出していって拾ったんです。
その瞬間、会場が和やかな空気に包まれて、みんなの笑顔が溢れました。
2度目のブーケトスのコツ
一度目で床に落ちてしまっても、諦める必要はありません。
むしろ、そこからが本番。こんな風に場を仕切り直してみるのはいかがでしょう。
- 「みんなで幸せをシェアしましょう!」と、明るく声をかける
- 既婚・未婚関係なく、参加したい人は誰でもOKと伝える
- 「次は絶対に落とさないぞ!」という感じで、会場全体で盛り上がる
- 新郎新婦のおじいちゃん・おばあちゃんも巻き込んで、世代を超えた演出に
こうすることで、最初は遠慮しあっていた参列者も、自然と笑顔で参加してくれるようになるんです。
そもそもブーケトスをやるのは迷惑だった?
この疑問について、実はとっても興味深い発見がありました。
時代とともに変わる”ブーケトス観”
昔は「結婚式の定番演出」として親しまれていたブーケトス。
でも最近は、少し様子が変わってきているんです。
たとえば、こんな声が聞こえてきます。
「独身の人を前に集めるのって、なんだか申し訳ない……」
「ブーケを取ろうとして転んだら、みんなに迷惑かも……」
「目立つのが苦手な人もいるよね……」
けれど、ここで大切なのは「迷惑」という言葉の捉え方。
実は、ブーケトスを心待ちにしている参列者も、たくさんいるんです。
ブーケトスの新しいカタチ
最近では、こんな工夫をする花嫁さんも増えています。
- 既婚・未婚問わず、女性なら誰でも参加OK
- ブーケを分けて、参加者全員にミニブーケをプレゼント
- お子さんも参加できる、家族みんなでの演出に
- ブーケの代わりにぬいぐるみやお菓子など、みんなで楽しめるアイテムを投げる
つまり、「誰かが迷惑、誰かが楽しい」という二択ではないんです。
みんなが笑顔になれる演出として、新しい形が生まれているんですね。
気持ちを込めた演出なら、きっと伝わる
結局のところ、大切なのは「想い」なんです。
「みんなに幸せをおすそ分けしたい」
「参列してくれた人たちに、楽しい思い出を作ってほしい」
そんな花嫁さんの気持ちがしっかり伝わる演出であれば、きっと素敵な思い出になるはず。
今後、友人が結婚式でブーケトスをやると言ったらどうアドバイスすればいい?
あなたの経験は、きっと未来の花嫁さんたちの力になるはず。
そう、あなたは「先輩花嫁」なんです。
伝えたい3つのアドバイス
これまでの経験から、私が後輩花嫁さんに伝えたいことがあります。
- 参列者の年齢層や人数をよく確認してから演出を決める
- 「ブーケトス用の別ブーケ」を用意しておくと安心
- 司会者さんと打ち合わせをして、さりげなくフォローしてもらう体制を整える
大切なのは、結婚式当日までの「準備」なんです。
参列者の気持ちを想像してみる
たとえば、こんなことを考えてみるといいかもしれません。
「あの子、最近失恋したばかりだったよね……」
「独身の参列者って、何人くらいいるのかな?」
「お仕事で忙しくて、なかなか恋愛できてない子もいるよね……」
決して、これは臆病になることではありません。
むしろ、参列者への思いやりの気持ちが、より素敵な演出を生み出すヒントになるんです。
もっと自由に考えてみよう
「ブーケトス」という言葉にとらわれすぎる必要はありません。
たとえば、こんな演出も素敵ですよ。
- 会場の子どもたち全員にミニブーケをプレゼント
- おばあちゃんたちにも参加してもらって、世代を超えた思い出作り
- ブーケを解いて、一輪ずつ大切な人たちへ手渡し
- 新郎も一緒になって、お菓子やプレゼントを投げる”幸せの贈り物タイム”
きっと、あなたの経験は、未来の誰かの笑顔につながっていくはず。そう信じています。
よくある質問
ブーケトスについて、みなさんからよく寄せられる質問にお答えします。
Q.ブーケトスを取りたくない人は、断ってもいいの?
はい、もちろんOKです。
むしろ、無理に参加する必要はありません。
最近では、司会者さんも「参加したい方」と声をかけることが多くなっています。
自然な形で、その場を離れるのもひとつの選択肢。
気負わずに、自分の気持ちに正直になればいいんですよ。
Q.ブーケトス以外の演出って、どんなものがあるの?
実は、とっても素敵な代替演出がたくさんあるんです。
- ブーケを飾った”幸せの木”から、参加者がお好きな花を選ぶ
- 風船に願い事を書いて、みんなで空に飛ばす
- 折り鶴に想いを込めて、参列者全員でプレゼント
- 手作りのアロマサシェを、感謝の気持ちを込めて配る
大切なのは「みんなで幸せを分かち合える」こと。
形にこだわりすぎる必要はありません。
まとめ:ブーケトスは、きっと誰かの思い出に
今回は「ブーケトスを誰も取らない」というシチュエーションについて、詳しくお話ししてきました。
最後に、もう一度おさらいしてみましょう。
- ブーケを取らない理由は、日本人特有の気遣いの表れ
- 床に落ちたブーケは、むしろ新しい演出のチャンス
- 時代とともに変化する、ブーケトスの新しいカタチ
- あなたの経験は、未来の花嫁さんたちの道しるべに
結婚式は、一生の思い出になる特別な日。
だからこそ、型にはまった「こうあるべき」にとらわれる必要はありません。
むしろ、予想外の出来事こそが、かけがえのない思い出になることも。
ブーケトスを誰も取ってくれなかったあの日。
それは、きっと誰かの心に残る、温かな物語の始まりだったのかもしれません。
私たちの結婚式は、そんな「思い出の種」を残していく場所なのかもしれませんね。
コメント